なんだか最近疲れる、お酒を飲む機会が多いなど、健康面で気になる事はありませんか。もしかしたら肝臓に負担がかかっているかもしれません。最近、スーパーでも手軽に手に入るようになったクコの実ですが、肝臓に良いと言われています。
なぜ肝臓に良いのか?を調べてみました。
豊富な栄養価を持つスーパーフード「クコの実」。
その栄養価の高さから、日本・海外問わず、注目を集める食材です。
クコの実には滋養強壮効果や美肌効果など、食べることで様々な嬉しい効能があるとされています。中でも「肝機能」への働きは、特に効果的であるともいわれるほどです。
この記事では、クコの実の肝臓への作用やそのメカニズムについて、解説します。
クコの実の肝臓への作用
クコの実を摂取することで、肝臓に良い作用を期待できます。具体的に期待できる作用は、以下のようなものです。
- 肝機能を高める効果
- 肝臓保護作用
肝臓は右わき腹の肋骨の内側にある、人体の中で最も大きな臓器です。肝臓はエネルギーの代謝やエネルギーの貯蔵など、生命活動を行う上で重要な機能を持ちます。
しかし「沈黙の臓器」と呼ばれるほど不調が分かりにくく、肝臓からのサインが届いたころには手遅れといったことも多々あります。そのためクコの実を食べるなど、普段から肝臓を気遣った生活を送ることが重要です。
肝機能を高める効果
クコの実には肝機能を高める効果があるとされています。
肝臓の機能が弱ると、以下に挙げるような様々な不調が身体に現れます。
肝臓の機能低下による不調
- 身体にだるさを感じる
- 脚がもつれる
- 身体にかゆみがでる
こういった症状を出さないためにも、ビタミンやミネラルをバランスよく摂取する必要があるのです。
クコの実には豊富なミネラルに加え、ビタミンAやビタミンE、ビタミンB群が豊富に含まれています。これらの栄養素が肝臓に良い影響を与え、肝機能を高めてくれます。
肝臓保護作用
クコの実には、肝臓の保護作用もあります。これは動物実験により、実証されているそうです。
肝臓保護作用に関する実験事例①
肝障害を持つ動物に、事前にクコの実を摂取させておいて実験を行っています。
すると肝臓障害の指標となるASTやALT、アルカリホスファターゼの上昇が抑制され、クコの実に肝臓保護作用があることが示唆されたようです。
出典:Protective effect of Lycium chinense fruit on carbon tetrachloride-induced hepatotoxicity
肝臓保護作用に関する実験事例②
クコにはゼアキサンチンの一種である、ゼアキサンチン誘導体が含まれています。
ゼアキサンチン誘導体はMDAを低下させ、肝線維化の原因であるコラーゲンの産生を抑える働きがあります。
さらに炎症関連物質である一酸化窒素や炎症関連細胞マクロファージを緩和させるため、クコの実に肝臓保護の作用があることが示唆されたようです。
出典:Zeaxanthin dipalmitate from Lycium chinense has hepatoprotective activity
抗脂肪肝作用とは
抗脂肪肝作用とは、脂肪肝を防ぐ作用のことを指します。
脂肪肝とは肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態です。脂肪肝になると疲れやすい等の症状が出ることもありますが、多くの場合は無症状のまま症状が進行していきます。
脂肪肝を放置しておくと、肝炎や肝硬変といった重大な病気に繋がる恐れがあるため、抗脂肪肝作用を意識することが重要です。
脂肪肝の原因
脂肪肝の原因は、主に3つ挙げられます。
脂肪肝の原因
- 暴飲暴食
- 糖尿病などの生活習慣病からの合併症
- 高血圧
多くの場合暴飲暴食が原因で脂肪肝になるようですが、他にも糖尿病や高血圧等の原因があります。
クコの実が脂肪肝に与える影響
クコの実には抗脂肪肝作用があるため、脂肪肝を防ぐといわれています。これはクコの実に「ベタイン」という成分が含まれるためです。
ベタインはアミノ酸の1種です。肝臓への脂肪沈着を抑える働きがあるため、抗脂肪肝作用があります。さらに血糖値の急激な上昇を防いだり、コレステロール値を抑えたり、糖尿病にも効果があるともいわれているものです。
そしてクコの実には血圧を下げる働きも確認されています。
以上のことからクコの実には、脂肪肝そのものに対する抑制効果の他、脂肪肝の原因となる糖尿病や高血圧にも良い作用をもたらすことが分かります。
肝臓に優しいクコの実のおすすめレシピ
肝臓に優しいクコの実のおすすめレシピ「薬膳クコの実スープ」と「クコの実茶」を紹介します。
どちらも身体を温めてくれる効果もあるため、肝機能のみならず、冷え性や自律神経を整える効果も期待できるレシピです。
薬膳クコの実スープのレシピ
薬膳クコの実スープの材料(2人分)
- 鶏もも肉・・・250g
- 長ネギ・・・1/2本
- シイタケ・・・2つ
- 生姜・・・1/2片
- ゴマ油・・・小さじ1杯
- 料理酒・・・大さじ1杯
- 水・・・400ml
- 塩・・・適量
- 乾燥クコの実・・・10g
薬膳クコの実スープの作り方
- 鶏もも肉は1口大、長ネギは斜め切りに、しいたけは薄切りにする。
- 鍋に1とすりおろした生姜、料理酒、水、乾燥クコの実を入れて弱火にかける。
- 途中でアクを取りながら、約30分ほど煮る。
- 塩を入れて味を調える。
- 器に盛り付け、仕上げに胡麻油をたらして完成。
薬膳クコの実スープのポイント
- 柔らかいクコの実が嫌な場合、食べる直前に乾燥クコの実を入れて下さい。食感が楽しめます。
- ニンニクのすりおろしを加えると、スタミナ強化にも効果が期待できます。

クコの実茶のレシピ
クコの実茶の材料(1杯分)
- 乾燥クコの実・・・5粒
- 緑茶・・・ティースプーン1杯分
- お湯・・・60ml
クコの実茶の作り方
- 湯のみに乾燥クコの実を入れ、乾燥クコの実が少し浸るくらいのお湯を注ぎます。
- 急須に緑茶を入れ、お湯を注ぎ1分程蒸らします。
- 1の湯のみに2を注ぎ入れて、完成です。
クコの実茶のポイント
- 乾燥クコの実をお湯につけておくことで、やわらかい食感になります。
- 緑茶は肝機能の改善効果があるため、クコの実と合わせることでより一層肝機能への良い効果が期待できます。

クコの実は肝臓の脂肪肝対策への効能を期待できる
クコの実には、肝機能を高めたり肝臓を保護する働きがあります。さらに抗脂肪肝作用まで確認されているため、まさに肝臓に優しい食材といえるでしょう。
肝臓はエネルギーの代謝やエネルギーの貯蔵など、人間が生きていく上で重要な機能を担う臓器です。しかしそんな肝臓に対し、暴飲暴食などで負担をかけている現代人も多くいます。
「沈黙の臓器」とも言われる肝臓は、不調が起こってから対処すると手遅れの場合があります。そのため日常から肝臓をいたわることが重要です。
クコの実であれば、手軽に普段の食事に取り入れることができます。肝臓をいたわるためにも、クコの実を使用した食生活を送ってみてはいかがでしょうか。
肝臓をいたわりたいときはクコの実を食べてみては
ゴジベリーとも呼ばれるクコの実は血行を良くする働きがあり、胃腸を丈夫にする作用も期待できますが抗脂肪肝作用もあるといわれています。
それはクコの実に含まれているベタインという成分。
肝臓の機能を高めるという作用の他に、血糖値上昇を抑える働きもあるといわれています。
脂肪肝の心配があるという人にとっては毎日、クコの実を食べ続けるという方法でケアしていく方法もおすすめです。